株式会社UPBEAR 代表取締役 中谷駿志

高級古着×無人販売。アパレル業界の常識を覆す新たな買い物体験

物価高騰が続く現代、ファッションを心から楽しむことが少しずつ贅沢なことになりつつあります。こうした時勢のなか、アパレル業界に新たな風を吹き込んでいるのが株式会社UPBEAR。
今回は、同社が展開する「高級古着の無人販売」という革新的なモデルについて、代表の中谷氏にお話を伺いました。10年のキャリアを持つ専門家が、なぜあえて「無人」を選んだのか。その裏側にある、次世代へつなぐ想いに迫ります。

「店員がいない」からこそ生まれる、自分を好きになる自由

現在、さまざまな無人販売が登場していますが、私があえて「高級古着」というジャンルで無人化に振り切った最大の理由は、「物価高の今こそ、洋服のお買い物を誰もが気軽に楽しめる場所にしたい」と考えたからです。
私は約15年間、アパレルの現場に立ってきました。店員の接客が喜ばれる一方で、「店員がいると緊張して入店しづらい」「自由に選びにくい」と感じるお客様も少なくないことを肌で感じてきました。
無人であれば、誰の目も気にせず心ゆくまで試着を楽しめます。気軽に何着も試せる環境は、自分でも気づかなかった「新たな自分の可能性」を見つけるきっかけになります。また、人件費を抑えることで、本来は高価なブランド古着をお手頃な価格で提供できるようになりました。この「自由にお手頃価格で楽しめる喜び」こそが、アパレル店舗の新たなスタンダードになると確信しています。

「服を売る」のではなく「自己肯定感」を届けたい

私の事業の原点は、15年間の「アパレル畑」での経験にあります。現場でお客様と向き合う中で大切にしてきたのは、単にモノを売ることではなく、洋服を通して得られる「気分の高揚」や「幸福感」を提供することです。私は、お客様に「外見向上による自己肯定感の向上」を売ることを使命として歩んできました。
しかし、多くのお客様にとって「価格」や「店員への苦手意識」が、お買い物の心理的ハードルになっている現実もあります。
「もっと自由に、もっとお手頃に、自分を好きになれる服と出会ってほしい」。この想いを解決できる最適解が、現在の無人店舗という形でした。プロとしての視点と、一人の買い物好きとしてのユーザー目線を掛け合わせることで、誰もがお買い物を通して幸せを感じられる循環を生み出していきたいと考えています。

価値を落とさない、ストレスフリーな空間設計

店舗づくりにおいては、特別な演出をするよりも物件や立地に合わせて「自分がお客様ならこんな店がいい」という直感を大切にしています。
一番のこだわりは、「量もありつつ、ゆとりを持たせた見やすいレイアウト」です。従来の古着屋のように服を詰め込みすぎず、1着ずつを丁寧に見せることで、商品の価値を下げない工夫をしています。
誰にも邪魔されずリラックスして、「これいいな!」という価値を自ら発見できる。そんなストレスフリーな空間で、自分だけの「お買い物体験」を楽しんでいただきたいですね。

2030年に200店舗。無人洋服屋を「当たり前の場所」に

このモデルが広まった先には、不景気や物価高に左右されず、誰もがもっと自由にファッションを楽しめる未来があると考えています。
私が描いているビジョンは、無人洋服屋が「当たり前の買い物場所」になることです。2030年までに全国200店舗を展開し、どこにいても24時間、欲しい洋服をお手頃に手に入れられる環境を作ります。
「安く買える」だけで終わるのではなく、お気に入りの一着で自己肯定感が上がり、その幸せが周りにも広がっていく。そんな「幸せの連鎖」が起きる社会にしたい。この挑戦を通じて、アパレル市場を盛り上げ、社会に大きく貢献していきたいと思っています。

取材協力/
株式会社UPBEAR 代表取締役 中谷駿志
アパレル業界に身を置いて15年。株式会社UPBEARを設立し、アパレル事業のほか複数の事業を多角的に展開。現場で培った知見と経営の合理性を融合させた無人洋服屋「RELOOP STORE」を全国へ拡大中。2027年には業界No.1、2030年には200店舗を目指しています。
https://www.up-bear.com/