略歴
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
法政大学在学中にプロモーション会社を起業し、2015年には飲食店経営とオーダーメイドアパレル、ペットアパレル製造を事業とする企業を設立。この時、業界最年少のペット用品メーカー経営者として注目を集めた。
2017年にはVixen Aim株式会社 を創業。以来、日本で唯一の「ペット用品特化OEM事業」のパイオニアとして、企画からデザイン、製造までを一貫して手掛ける体制を築き上げてきた。
経営の傍ら、動物病院勤務を経て 動物看護師資格 を取得。その後、渡米し 米国トリマー資格 を修得、自社ブランド “aletta angelique” を立ち上げロサンゼルスとニューヨークに代理店を展開。さらにオーストラリアでベイザー資格を取得し、米国大学院にてMBA を修了するなど、学術と実務の両面で研鑽を積んできた。
現在は国内外の複数企業で代表・顧問・役員を務める 国際的なコンサルタント としても活動。
「日本唯一のペット用品専門デザイナー」 であることを強みに、社会課題を背景にした商品開発に取り組む一方、YouTubeチャンネル「犬とおねえさん」 を通じてペット業界の情報発信や啓蒙活動にも注力し、各種メディアからの注目を集めている。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

現在の仕事についた経緯

　子どもの頃から私は犬が大好きで、毎日のようにペットショップに通い詰めていました。気づけば、どのメーカーがどんな戦略で何を売っているのかまで自然と詳しくなっていました。やがて起業のチャンスを得て「自分に向いていること」で事業を始めましたが、どうしてもペット業界への憧れを捨てきれず、動物看護師の資格を取得しました。
病院で働くなかで感じたのは、「ここに連れてこられる子は幸せだ」ということ。でも同時に、「私が会えない子をどう幸せにできるだろう」「どうすれば犬たちが今日より明日、もっと飼い主さんに愛されるようになるのだろう」という問いが心に残りました。その答えが「メーカーになる」という選択でした。
　幸運にも、幼い頃から国内外のペットショップを見て蓄えた知識と経験がありました。それを活かして「好きなことを仕事にする」と決断したのです。私がメーカーとして形にすると決めたのは、飼い主が思わず「欲しい」と感じるデザインであり、犬たちが心地よく使える商品。その姿が家族の愛情をさらに深める「きっかけ」となり、まだ会ったことのないあの子を幸せにできること。これこそが、私がこの仕事を選んだ理由です。

仕事へのこだわり

　私のこだわりは2つあります。

　ひとつ目は、「最強のゴースト商業デザイナー」であり続けたいということです。
私は自社ののプライベートブランド以外では、好きなものを自由に描くアートデザイナーの仕事はしていません。私の仕事はあくまでも“商業デザイン“。お客様の要望や、市場の需要への供給を叶える“商業デザイナー“です。
ありがたいことにこれまで、たくさんの商品を世の中に出させていただきましたが、その多くは私の名前を一切出していません。なぜなら私が売りたいのは「私自身」ではなく、「技術」と「商品」だからです。誰がつくったかを知らなくても、「これはいい」と思ってもらえるものを届ける。そこにこそ私のこだわりがあります。

　ふたつ目は、「自分の立場を客観的に見つめ、人と向き合うこと」です。
例えば私にとってスタッフは「社長の夢に人生の時間を費やしてくれる仲間」です。だからこそ私は彼らの上司ではなく、むしろ支えてもらっている立場だと考え、向き合っています。
今、日本の縫製工場や縫製士は減少の一途を辿っています。デザインや企画が華やかに見える一方で、縫製士の待遇や海外市場との価格競争が原因で若者に敬遠されている状況です。しかし忘れてはいけません。デザイナーがどれほど優れた図面を描いても、「縫う人」がいなければ商品は完成しないということを。

　私は縫製士こそ高い報酬を受け、誇りを持って仕事を選べるべき人たちだと思っています。「縫製をさせる」という言葉を耳にするたびに違和感を覚えます。私にとって彼らは不可欠な存在であり、私は「縫製をしていただく」という姿勢で向き合います。デザイナーとして、縫製士の存在がなければ自分は成立しない。その自覚こそが私の揺るぎないこだわりです。

今後の展望・私の夢

　私はこれまで、数多くの企業や個人の方々から「ペット業界に参入したい」というご相談を受けてきました。そこに共通しているのは「大切な存在を想う気持ち」と「その愛を形にしたい」という純粋な願いです。
 　私の役割は、その想いをデザインや商品という形に変え、この世に送り出すこと。私自身のプライベートブランドだけでは決して補えないほど、まだまだ多様なニーズや役割を持った商品が存在し得ます。それらが次々と生まれ広がることで、飼い主とペットとの関係に新しい喜びや発見が増えていくのです。
 私の夢は、その「きっかけ」をつくり続けること。そして、私が直接会うことのできないあの子が、今日よりも明日、飼い主さんからもっと愛されるようになる未来を実現することです。

若者へのメッセージ

　私が皆さんに伝えたいことは3つ、「教科書を読むこと」「努力は学歴に勝ること」「社長業とは何かを意識すること」です。
私は十代で起業しましたが、何もわからず情報に振り回されていました。そんな時、大学の教科書に知りたいことが全て書かれていると気づきました。これからはSNSやAIに惑わされる時代ですが、教科書は変わらない基盤です。ぜひ教科書を読んでみてください。

　次に「努力は学歴に勝ること」。私は米国でMBAを取得しました。高学歴の同期が多い中、学歴がなくても、周りより努力をすれば、MBAの評価や成績は勝てるのかという挑戦をし、結果得たのは「努力は学歴を超える」という実感です。だからこそ、学歴に不安を抱く人も「遅くない、必ず勝負できる」と知ってほしいです。

　最後に「社長業とは何かを意識すること」。社長になること自体は簡単ですが、10年継続できるのは0.16％、同級生1000人に1〜2人です。社長は偉い存在ではなく、最大の責任を背負う立場であり「他の方に人生の時間を使ってもらい、自分の好きなことや、やりたいことにに付き合ってもらう人」であることを意識して欲しいです。

　これからの未来で、素敵なみなさまとお仕事ができる日を楽しみにしています。

Vixen Aim株式会社
（https://vixen-aim.com/）