一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会 代表理事 塚本 敦未

存在感と自分らしさ

一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会
代表理事 塚本 敦未

略歴
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日本大学芸術学部映画学科演技コース卒業。
在学中にモデル事務所に所属し、
洋服の青山、TOMMY HILFIGER、Rakuten Fashion Weekなどに出演しファッションモデルとして活躍。現在はウォーキング講師と一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会の理事を務め、
言葉を超えた自己表現の力を広める活動を展開。
歩き方だけでなく視線やジェスチャーを含めたトータルな表現力を磨く指導を行い、
ノンバーバルスキルを伝え、人が持つ魅力と自信を引き出すことを使命としている。
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現在の仕事についた経緯

 モデル・MCの経験を通して、言葉に頼らない「伝わる力」の大切さを実感しました。華やかに見える世界ですが、実際は何百回もオーディションに落ちては悔しさを味わい、自分を見つめ直し、非言語表現を研究し続ける日々でした。そんな過程の中で、言葉以上に存在そのものが人に影響を与える力を持っていることに気づきました。自分を何度も支えてくれたこの「非言語の力」を、必要としている人に届けていきたい、そんな想いから、ノンバーバルコミュニケーション協会を立ち上げました。

仕事へのこだわり

 私の仕事へのこだわりは、「その人らしさを引き出すこと」です。現在はウォーキング講師として、そして一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会の代表として活動していますが、一貫して大切にしているのは「自分の可能性を自分で狭めてしまっている人に、選択肢を与えるきっかけを届けたい」という想いです。

 幼い頃から表現することが好きでしたが、今思えばそれは、自分を守るための手段でもあったのかもしれません。

 ウォーキングの指導においても、ただ美しく歩くことや印象を整えることが目的ではありません。その方が本来持つ空気感や身体の癖、個性をどう活かすかに重きを置き、「ありのままの自分を知るきっかけ」を提供することを大切にしています。

 また、非言語コミュニケーションは自己表現だけでなく、人間関係や場づくりにも大きな影響を与えます。だからこそ、表面的なテクニックではなく、「自分の在り方」そのものを見つめ直す、実践的かつ本質的なカリキュラムの構築に力を入れています。

 私は、表現力とは自己肯定感の延長線上にあると考えています。自信がないときほど、言葉ではなく身体や声にその不安が表れます。それを丁寧にほぐし、その人が本来持っている力を引き出していくこと——それが、私の仕事であり、何よりのこだわりです。

今後の展望・私の夢

 私の夢は、「誰もが当たり前に自分を大切にできる社会をつくること」です。“社会”とは決して遠いものではなく、自分を取り巻く家族・友人・職場といったコミュニティそのもの。だからこそ、その中で自分を大切にできる人が増えれば、自然と優しさや多様性を尊重する社会が広がっていくと信じています。

 その実現のために、今後は教育機関や企業との連携をより一層強化し、非言語コミュニケーションの学びを義務教育にも取り入れてもらえるよう働きかけていきます。

若者へのメッセージ

 自分の感情に、鈍感にならないでほしいなと思います。おいしいと感じたこと、誰かに心が動いたこと、つらくて涙が出たこと。そうした感情の一つひとつが、自分らしさにつながっています。日本では、「感情をあまり表に出さないほうがいい」「まわりと調和することが大事」という文化が根づいています。もちろん、それは素晴らしい側面もあります。でも、その反面で“本当の自分の気持ち”にフタをしてしまっている人がとても多いと感じています。

 だからこそ、自分の中の「やってみたい」「本当はこうしたい」という声には、できるだけ素直でいてほしいのです。

 やりたいことは、やったほうがいい。それがどんな結果になったとしても、自分で選んだ経験は必ず力になります。

 何を選ぶか、どんな自分でいたいかを決めるのは、自分自身です。誰かの期待ではなく、自分の意思で選んだ道を歩いている人は、どんな姿でもかっこいいと私は思います。

一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会
https://nca-japan.or.jp/