ROOTS Clinic 院長  郭 天元

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

ROOTS Clinic
院長 郭 天元

略歴
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中国に生まれ、3歳まで日本で過ごし、10歳まで日本で育つ。
その後、中国に戻り学生時代を過ごす。
北京大学医学部臨床医学科を卒業後、
北京大学医学部付属第二病院にて産婦人科医として3年間勤務。
日本に渡り、順天堂大学医学部付属順天堂医院の
総合診療科・国際診療部・人間ドックに従事。
その後、大手美容外科にて横浜院副院長、川崎院院長を歴任し、
現在はROOTS Clinicを開業。
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現在の仕事についた経緯

 私はもともと、自分の理想を実現するために何が最適な道かを考えていました。その中で、まず大手美容外科に入職したのは、同じ志を持つ仲間をつくるためでした。自分が目指す医療の形に最短距離で到達するにはどうすればよいかを考えたとき、個人で開業する選択肢もありました。しかし、一人での開業では自分の理念を広げることに限界があり、本当に共感し合える仲間とともに成長し、影響を与え合いながら理想の医療を追求する環境をつくることが重要だと考えました。

 そうした仲間を見つけ、一緒に理想を実現していくには、最終的には自ら開業するしかないという結論に至りました。開業することで、自分の考えを軸にしながら、同じ想いを持つ人々とともに歩み、共通の目標に向かって進むことができる。そうした想いが、現在の道を選んだ大きな理由です。

仕事へのこだわり

 私のこだわりは、患者様の「美のROOTS」になることです。

 私は複雑なアイデンティティを持っています。中国で生まれ、家庭では中国語を話し、仕事では日本語を話す日々の中で、「自分を形成するものは何か?」と考えることが多くありました。私にとってのROOTSは、中国であり、日本であり、医師という職業であり、産婦人科や美容外科という専門性でもあります。その中で特に重要な要素をROOTSとして定義し、それを軸に活動しています。

 ROOTS Clinicは、患者様に「美しくなれる場所」として記憶していただけるようなクリニックを目指しています。ただ美を提供するのではなく、その方の人生に大きなインパクトを与える存在でありたいと考えています。

 そのために、私が追求するのは「完成された美容体験」です。これは単に手術の技術が優れているだけでは成り立ちません。予約からアフターフォローまで、すべてがシームレスにつながったサービスであることが必要です。患者様と一度関わることで、その方の人生の一部に踏み込むことになる以上、徹底したこだわりが求められます。

 たとえば、予約から帰宅まで一切紙に触れないペーパーレスのシステムを導入し、不要な書類を排除することでストレスのない環境を整えています。また、プライバシーに配慮した内装設計にもこだわり、設計図を自ら作成し、細部まで細心の注意を払っています。

 患者様がクリニックを訪れ、施術を受け、帰る頃には笑顔になっていただけるような環境を整えることが、私の使命です。そして、私一人ではなく、スタッフ全員が同じ想いを持ち、心を込めて接することが何よりも大切だと考えています。そのため、共通の価値観を持つ仲間づくりにも力を入れています。

 ROOTS Clinicは、患者様の人生のROOTSの一部となれるよう、これからも挑戦を続けていきます。

今後の展望・私の夢

 私は、美容外科という枠を超え、より幅広い分野で価値を提供できる組織を築いていきたいと考えています。そのため、クリニック名には個人の名前を入れず、中性的な名称を採用しました。将来的には、分院展開を含めた規模の拡大を視野に入れ、美容医療にとどまらない多角的な事業を展開していく方針です。

 私の理想とする組織は、「ディズニーランド」のような存在です。人々が特定のアトラクションを目的に訪れるのではなく、その世界観そのものを楽しみに来るように、美容外科はあくまで一つの要素にすぎません。私は、人々の人生のROOTSに関わり、単なる施術の提供ではなく、ライフスタイルを提案する場を創りたいと考えています。

 この理念に共感し、共に新たな価値を生み出していける方々と、業種を問わず多様な事業に挑戦していきたい。美容外科は現在の強みではありますが、それにとらわれることなく、より大きなビジョンを実現するために歩みを進めていきます。

若者へのメッセージ

 常に合理的な選択を心がけてください。AとBという選択肢があったとき、客観的にどちらが適切かを考えましょう。絶対的な正解はありませんが、その時点で「どちらが問題ないか」という仮説を立てて、迷わず進んでいくことが大切です。全力で取り組んでいるうちに、新たな選択肢CやDが生まれることもあります。

 判断基準は「好き嫌い」ではなく「合理性」に置くべきです。医療の分野でも、診断や手術といった本質的な業務は変わらず、扱う分野が異なるだけです。医学生がどの科を選ぶかも、自分の環境や背景、やりたいことを踏まえて合理的に決めるべきです。

 まずゴールを設定し、そこへ向かう道筋を埋めていきましょう。途中で判断が誤ることもありますが、それで構いません。仮説が間違っていたなら修正すればよいのです。大切なのは、自分の位置とゴールを常に意識し、前に進み続けることです。

ROOTS Clinic
https://roots-clinic.com/