合同会社村上さくら農園 スマート農業で日本の未来を切り拓く

農業にもデータやドローンを活用 スマート農業で日本の未来を切り拓く

農業において、高齢化や人材の不足などの課題に直面している農家は多いのではないでしょうか。そんな中、合同会社村上さくら農園・村上知久代表は、「スマート農業」というデータやドローンなどの先端技術を活用することで、農業の効率化と持続可能性を追求する新たな挑戦を始めました。このスマート農業は、省力化や環境負荷軽減に貢献するだけでなく、日本の農業の未来を切り拓く希望の光となるのではないでしょうか。そんなスマート農業について、村上代表に話を聞きました。

スマート農業とは何でしょうか。

スマート農業とは、データ活用や、ドローン等の先端技術を活用して農業の効率化や生産性向上を図る取り組みを指します。
これら最先端の技術を取り入れる事により、農作業の自動化や省力化が実現し、熟練者でなくても質の高い農作物の生産が可能になります。
例えば、ドローンを使った農薬散布、衛星データ等を活用した土壌や作物の状態モニタリング、AIによる病害虫の予測、さらにクラウドを利用したデータ共有などが実例として挙げられます。
また、高齢化による担い手不足といった課題を解決し、環境負荷を低減しながら持続可能な農業を実現する手段として注目されています。
これにより、消費者への安全で安定した食料供給も可能となります。

なぜスマート農業を取り入れたのでしょうか。

我が家でも両親が高齢化してきた事により、代々受け継いできた農業継続の危機に直面しておりました。
ある日、「農家もあと3年で終わりだな。」といった父の何気ない一言にハッとし、かなり焦った私は、毎週末に東京から栃木に帰り、農業を手伝い出しました。
しかし、これを継ぐとなると収入面で生活できなくなってしまうという課題もありました。
これを解決する為には、大型化していく事が第一目標である一方で、今のままのやり方ではとてもやり切れません。
そこで、もともとホームIoTプラットフォームを提供するリンクジャパン社で働いており、データ活用に興味があった事と、兄の助言もあり、スマート農業実践の第一弾として「田植えをしないドローン直播による稲作」を始める事にしました。

スマート農業のメリット・デメリットを教えてください。

スマート農業のメリットとして先ず挙げられるのが、「大幅な省力化」ができる事です。
米づくりを例にとると、これまでの田植えから行う方法だとタネを温度や水量を気にしながら育苗機にかけ、苗箱を作り、それをビニールハウスで苗にし、田植えを行うといった工程が必要ですが、ドローンによる直播であれば、この工程を省く事ができます。
実際に経験するとわかるのですが、これだけでも随分と楽になります。

デメリットは機器の価格がまだまだ高い事です。
ドローンを導入するだけでも、我が家では300万円ほどかかっており、正直に申し上げると、初年度はこれだけで赤字でした。
そこは、収量を増やしたり、散布の請負を行う事でカバーしていきたいと考えております。

最後に、全国の農家さんにお伝えしたいことはございますか。

スマート農業のメリット・デメリットはありますが、日本の農業を守って行く為には必須であります。
費用面でのハードルはありますが、取り入れる農家さんが増える事で、コストも下がってきて、農業に挑戦できる人が増え、農業を守る事に繋がる事になりますので、是非一緒に挑戦して頂きたいですし、私でお手伝いできる事があればいつでもお声がけください。

合同会社村上さくら農園
代表 村上 知久