三共電機株式会社 代表取締役 三橋 進
有言実行
三共電機株式会社
代表取締役 三橋 進
略歴
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豊田高専卒業、名古屋工業大学大学院修了。
2009年 森精機製作所(現 DMG森精機)に入社。
工作機械のソフトウェアの開発に従事した後、2014年に三共電機株式会社に入社。
制御盤の設計業務の傍ら、先代社長である父より経営を学び、2020年から現職。
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現在の仕事についた経緯
三橋家の長男として生まれ、中学生のころから漠然と父である先代社長が創業した会社を継ぐものと考えていました。そのため、15歳から豊田高専で電気工学を学び、技術者として必要な知識と技術を着実に身につけました。新卒で入社した森精機製作所では、世界トップレベルの技術やビジネスの現場を経験し、視野を広げることができました。家業である三共電機に戻り、技術者出身の社長として従業員やお客様の思いを受け継ぎ、より良い会社にしたいと強く願っています。特に、日本のものづくりを支える中小企業の存在を重要視し、その価値を世に広めるため尽力したいという思いが私の原動力です。
仕事へのこだわり
仕事へのこだわりは、大きく分けて「指針」と「STYLE」という2つの柱があります。
1つ目は「指針」
森精機に入社した際に出会った「VSOPのビジネスキャリア論」に深く感銘を受け、これをキャリアの羅針盤としてきました。この考え方は、ブランデーの等級になぞらえ、20代から50代まで、それぞれの年代に応じた働き方の指針を示すものです。
• 「20代はバイタリティ」
とにかく多くのことに挑戦し、貪欲に学ぶ時期。私はこの時期に、海外出張や新機能開発への参加、展示会でのプレゼンテーションなど、さまざまな経験を積みました。挑戦の中で多くの失敗も経験しましたが、それこそが成長の原動力になりました。
• 「30代はスペシャリティ」
専門分野である電気やソフトウェアに特化し、とことん突き詰めました。同時に、中小製造業の課題にも正面から向き合い、技術者としての知識を武器に改革を進めました。
現在は「40代のオリジナリティ」に差し掛かり、これまで培った知識や経験を活かし、自分にしかできない仕事を追求しています。各年代の役割をやり切ることで、50代の「パーソナリティ」へと繋げたいと考えています。また、私の座右の銘である「有言実行」を実践しています。中長期的な目標を掲げ、それを公言したうえで、バックキャストの手法で年単位・月単位の行動計画に落とし込む。このアプローチは、仕事だけでなく趣味のフィットネスジムでも同様です。コツコツ地道にストイックに取り組み、達成するまでやり抜く姿勢を大切にしています。
2つ目は「STYLE」
学生時代のラグビー部で培った「ワンチーム」の精神を仕事にも活かしています。それぞれのメンバーが得意分野を発揮し、一人では成し得ない成果を生み出すことを目指しています。チームワークを大切にしながら、社員一人ひとりが持つ力を引き出し、会社全体として最大限のパフォーマンスを発揮できる組織づくりを心がけています。
今後の展望・私の夢
私の夢は、DXを通じて日本の中小企業製造業に新たな可能性を広げることです。2018年頃から、社内業務のDX化に取り組み、技術者社長として自らソフトウェア技術を学びながら挑戦を続けてきました。その結果、現在では90%の業務を自動化し、残業時間の大幅削減や有給取得率80%超を達成しました。2024年3月には経済産業省の「DXセレクション2024」に優良事例として認定され、全国から多くの企業が弊社の取り組みを見学に訪れるまでに至りました。しかし、私の挑戦はここで終わりません。日本は少子高齢化や労働力不足といった課題を抱えています。当社のDX事例を全国の中小企業製造業へ発信し、DX化を推進することで、微力ながらこれらの課題解決に貢献したいと考えています。
さらに、2025年夏には工場の拡張工事が竣工し、制御盤製造におけるデジタルツイン技術の導入を進める予定です。これにより、職人技術に頼らず、誰でも挑戦できる設計・製作体制を実現します。また、ロボット化への取り組みも進め、制御盤製造業という「縁の下の力持ち」が、様々な産業のデジタル化・IoT化・電動化に貢献できる未来を目指します。
若者へのメッセージ
日本はかつて「ものづくり大国」として世界に誇る技術力を持つ国でした。そのものづくり力は今なお高いポテンシャルを秘めていますが、現在の社会は少子高齢化や労働力減少といった深刻な課題に直面しています。この状況を乗り越え、ものづくり大国として復活を遂げるためには、若い世代の皆さんの力と最先端技術の活用が必要不可欠です。
AIやIoT、ロボット技術など、技術革新が著しい時代だからこそ、これらを積極的に取り入れ、新しい発想でこれまでにないイノベーションを生み出してほしいと願っています。日本の中小企業や製造業には、多くの優れた技術や職人の知恵が詰まっています。それを未来につなげるのは、若い技術者の皆さんの挑戦と情熱です。
私たちが直面する課題は大きいですが、皆さんの力があれば必ず乗り越えられると信じています。夢や目標を持ち、それに向かって努力を重ねてください。そして私たちも、世界の技術者と共に歩み、支え合いながら、未来の日本を築いていきましょう。ともに頑張りましょう!
三共電機株式会社
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