ゆるリワーク 代表 辻本 智美

誰かのために

ゆるリワーク
代表 辻本 智美

略歴
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1971年生まれ。
作業療法士、公認心理師、精神保健福祉士の資格を取得し、精神科医療機関で20年以上の経験を積む。特にうつ病で休職した方のリワーク支援や、発達障害のある方の就労支援に注力。
デイケアセンター課長として、認知行動療法やSST(社会生活技能訓練)を活用した支援プログラムを運営し、多くの利用者の社会復帰をサポートした。
2017年には森ノ宮医療大学で精神障害領域の専任講師を務めるなど教育分野にも携わる。
2024年、これまでの経験と知見を活かし、「こころの産業保健事業」をスタート。
制度や福祉サービスの案内も含めた包括的な支援を提供することで、
働く人々が安心して自分らしい生活を送れる社会の実現を目指している。
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現在の仕事についた経緯

 精神科病院で発達障害のある方の就労支援に携わる中、障がい特性やコミュニケーションの課題が原因でメンタル疾患を発症する患者さんを多く目にし、「病気になる前に出会えていれば、仕事のコツやストレス軽減方法を教えられたのに」と痛感しました。また、うつ病で休職中の患者さんから「これを早く知っていればうつ病にならなかった」と言われるたび、早期介入の重要性を強く感じました。しかし、病院には病気になった人しか来られません。病気になる前の人を支援するには、地域で活動する必要があると考え、こころの産業保健事業を始めました。働く人々が安心して自分らしい生活を送れる社会の実現を目指しています。

仕事へのこだわり

 私が新人時代から一貫してこだわってきたことは、大きく3つあります。それは、「専門性の追求」「患者さんへの誠実な対応」、そして「自分にしかできないことへの挑戦」です。

 まず1つ目は、専門性の追求です。常に最新の知識と技術を習得することを心がけてきました。学会や勉強会への積極的な参加だけでなく、自ら勉強会を主催することもありました。また、社会人として働きながら大学院に進学し、より高度な知識を学ぶ努力を続けました。作業療法士、公認心理師、精神保健福祉士の3つの国家資格を取得し、専門療法の講習にも参加するなど、絶えず学び続ける姿勢を大切にしています。

 2つ目は、患者さんへの誠実な対応です。患者さんとの信頼関係を築くため、約束を必ず守り、時間に遅れない、待たせない、予定を安易に変更しないことを徹底してきました。こうした一つひとつの対応が、患者さんに安心感を与え、支援がより効果的になると信じています。

 3つ目は、自分にしかできないことへの挑戦です。私は「他の人ができることは任せ、自分にしかできないことに取り組む」ことを大切にしてきました。その一例として、作業療法士として独立し、個人事業をスタートしたことが挙げられます。特に、福祉サービスなどの制度に基づく事業ではなく、個人事業として立ち上げる作業療法士は非常に少なく、これは大きな挑戦でした。制度に縛られない柔軟な支援を提供することで、自分にしか果たせない役割を模索し、多くの方に貢献する道を選びました。

 これらの3つの柱を軸に、私は新人時代から支援の質を高める努力を続け、患者さんや利用者が安心して自分らしい生活を送れる環境づくりに貢献してきました。これからも、このこだわりを大切にしながら活動を続けていきます。

今後の展望・私の夢

 私は、人の役に立つことをライフワークとし、誰かの人生に小さくても確かな良い変化をもたらすことに情熱を注いできました。これからもその思いを貫き、働く人々や次世代を担う子どもたちに、より良い未来を届ける活動を成し遂げたいと強く思っています。

 まずは、「こころの産業保健」という分野を通じて、働く人々のメンタル疾患の予防に力を注ぎます。一度病気を発症してしまうと、それを乗り越えるのはとても辛い道のりです。だからこそ、私と出会う人々には、病気になる前に自分自身を守る力を身につけてもらいたい。ストレスケアや心の健康を保つための知識やスキルを届け、一人ひとりが自分らしく働き、人生を楽しむことができる社会をつくりたいのです。メンタル疾患を予防することは、個人だけでなく、社会全体を元気にする最善の方法だと信じています。

 さらに、私が目指す未来はここで終わりません。この事業を成功させ、安定した収益を上げることで、次は厳しい環境にいる子どもたちに貢献する活動を始めたいと考えています。メンタル疾患を抱える人の多くが、子どもの頃に逆境体験をしていることを支援を通じて実感してきました。だからこそ、子どもたちが安心して育ち、自分を信じる力を持てるような環境づくりが必要だと強く感じています。子どもたちが「自分にもできる」「未来には選択肢がある」と信じられる支援を行い、大人になったときに、やりたい仕事に挑戦できる社会をつくりたい。そのためにできることは何でもしたいのです。

 私は、この2つの目標を実現するため、全力で走り続けます。働く人々が安心して生活し、子どもたちが未来を信じられる社会を目指して、私のすべてを注ぎたい。それが、私が歩むべき道であり、人生を懸けて成し遂げたいことです。

若者へのメッセージ

 これからの時代、私たちの働き方や生き方はますます多様化し、その中で自分自身の未来をどう切り開くかが重要になります。私は、これからの社会では、働き方や生き方に大きな違いが生まれていくと感じています。

 一方には、自ら学び、成長し続ける人たちがいます。この人たちは、新しい知識やスキルを積極的に身につけ、主体的に未来を切り開いていきます。自分の力で道を選び、価値を生み出していくその姿勢は、人生をより豊かにするだけでなく、他者の役に立つ力にもつながります。

 もう一方には、言われたことだけを、及第点の質でこなす人たちがいます。このような人たちは、自ら考えたり選んだりすることを避け、他人の指示の下でしか行動しないため、次第に他人の価値観に縛られる生き方になってしまうかもしれません。それは、自分の人生を生きるのではなく、他人の望む枠組みの中で動いているだけの状態と言えます。

 どちらを選ぶかは、あなた自身の選択にかかっています。私はぜひ、皆さんには自分で学び、成長し続ける道を選んでほしいと思います。その姿勢は、あなた自身の力を引き出し、人生を自由に切り開いていくための原動力になるだけでなく、周りの人たちを支える力にもなるのです。

 あなたの人生は、あなた自身が舵を取るものです。自分の価値を信じ、他者の役に立ちながら、自分らしい未来を描いていってくださいね。

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