鶴田クリニック 院長 鶴田 展大 鶴田 展大
がんと闘う全ての方へ希望を届ける
鶴田クリニック 院長
鶴田 展大
略歴
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久留米大学医学部医学科を卒業後、国立病院機構九州医療センターで初期研修を修了しました。
その後、出身大学には腫瘍内科がなかったため、九州大学第一内科(腫瘍内科)に所属し、がん治療や研究に携わりました。在籍中には多くの論文を執筆し、特に「大腸がん細胞におけるPD-L1タンパクがmRNA修飾の変化によって調整されること」という研究を世界で初めてBBRCで発表しました。
この論文はNature Review誌にも引用され、臨床試験グループWJOGの消化器若手の会FLAGメンバーにも選ばれました。
また、がんゲノムプロファイリング検査のレポート作成・返却業務にも従事しました。
これは、がんの遺伝子を調べて効果のありそうな抗がん剤を選択するレポートを作成・返却する業務で、超高度な知識が求められるものです。九州では九州大学病院のみがこの業務を担当しています。
その後、福岡市内のがん診療拠点病院で勤務し、新規臨床試験や治験の提案や企業との交渉などで活躍しました。九州がんセンター在籍中には、多くの企業からヘッドハンティングのオファーを受け、某医療系企業の関連法人に就職しました。
同時に、国内の複数のゲノムベンチャーや行政、企業と連携し、日本中のがん患者さんの支援活動やコンサルティングに従事しました。
訪問診療クリニックの開設も経験し、日本で初めて高度で専門的な注射抗がん剤を自宅で投与する仕組みを福岡で構築しました。
日本臨床腫瘍薬学会や日本遠隔医療学会腫瘍分科会などで多くの講演を行いました。
全国に民間のがん治療拠点を作るため、福岡市に「鶴田クリニック」を開院し独立しました。現在もがんに関する多くの講演会や執筆活動を行い、臨床・研究・経営の三方面で活躍しています。
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現在の仕事についた経緯
国内で腫瘍内科医として働き始めたばかりの頃、20代にもかかわらず日本中のがん治療のリーダーの先生方と共に仕事をする機会を得ました。その過程で、ある企業から新しい抗がん剤が発表された際に治験の提案を行いましたが、「私の提案と同じ研究を他の人と実施する」という出来事がありました。この経験を通じて、企業を理解することの重要性を強く感じました。本当にがん患者さんのためになる研究に資金が行き渡るように、企業がどの先生の治験や臨床試験に資金を出すのかを選ぶコンサルティングの仕事に興味を持つようになりました。私は偉くなるわけではないかもしれないけれど、研究の方向性を決める立場になりたいと考えたことが、医師から企業に転職するきっかけでした。
実績を積み重ねて、いずれは自分の事業を立ち上げようと考えていましたが、思いのほか自分の収益だけで全国に展開する病院を作ることができると分かり、開業・独立することを決意しました。
仕事へのこだわり
私は常に学ぶことを大切にし、多くの知識を持って客観的に自分から行動するよう心がけています。患者さんに安心していただけるように、知識を増やしたりコミュニケーション能力を高めたりすることに努めています。また、依頼された仕事については、自分たちの可能性を広げるために、基本的に断らないようにしています。
今後の展望・私の夢
がん診療に関わる全ての方々(患者さん、ご家族、がん診療に携わる医師などの医療従事者、製薬企業)が幸せになれることを目指しています。
日本では毎年約100万人の新しいがん患者さんがいます。最近の抗がん剤治療の進歩により、寿命が延びていることから、医師一人が診るがん患者さんの数が増え続けています。その結果、多くの病院でがん治療が非常に逼迫し、待合室はいつも満員で、がん治療には一日がかりの診療が必要となっています。抗がん剤治療に来る時間そのものが、がん患者さんの大切な時間を奪っているという考え方があり、これを「時間毒性(Time Toxicity)」と言います。これはJCOで論文化されています。
がん薬物療法専門医(腫瘍内科専門医)になるためには、非常に多くの勉強が必要です。私たちはテレビドラマで見るような「人生の強烈な瞬間」を日々経験し、総合力が求められる非常に難しく辛い仕事です。例えば、妊婦さんががんになったときにどう声をかけるか、家族にどう説明するか、お腹の子の管理を小児科や他職種と連携して行うかなど、多くの課題に直面します。
そのため、がん診療に携わる先生方が心を痛めたり、疲弊して辞めたりすることで、本来ならもっと治療できるはずの患者さんが治療を受けられなくなることがあります。
そうした全てのがん患者さんが幸せになれるような仕組みを作るために、企業秘密ではありますが、様々な取り組みを行っています。
若者へのメッセージ
皆さんはイノベーター理論をご存じでしょうか。私は未来を予測するのが得意で、予想したことがよく現実になるのですが、それを多くの人に説明するのが難しく感じることがありました。そのため、自分の周りの環境やレベルを上げて、同じように未来を予測できる人たちと一緒に世の中を動かしていきたいと思っていました。
しかし、キャリアアップを進めていく中で、いわゆる「偉い人たち」にたくさん出会いましたが、イノベーターはほとんどいないことに気づきました。また、私以外の数少ないイノベーターの方々も同じように孤独を感じていました。例えば、スティーブ・ジョブズがスマートフォンを初めて発表したとき、彼の言っていることを理解できた人はほとんどいませんでした。孤独を感じるのは辛いことです。自分の考えを多くの人に理解してもらえるように言葉で伝える力も必要だと思います。そして、確固たる信念を持ちつつ、逆風にも負けずに前進する力が非常に大切だと考えています。