ゆきデンタルクリニック 院長 矢島 由紀

医療の先に健全な社会を目指して

ゆきデンタルクリニック
院長 矢島 由紀

略歴
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長崎大学歯学部卒業。
医科歯科統合医療のクリニックの歯科部長を経て、2011年佐賀市にゆきデンタルクリニック開院。2022年に循環型社会を目指して佐賀プロジェクトを立ち上げる。
2023年に同敷地内に季節野菜のカフェ&マルシェ Café du panier オープン現在に至る。
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現在の仕事についた経緯

 私はゆきデンタルクリニックを開院する前、医科歯科統合クリニックで医師と協力して慢性関節リウマチなど難病の方々の治療に携わってきました。難病の方の口腔内のケアだけではなく、治癒の妨げになっていると思われる口腔内のさまざまな問題にアプローチをするというスタンスです。そこで口腔内がいかに全身の健康に関与しているかということを痛感し、全身の健康を考慮した予防歯科、口腔育成を確立していく必要があると考え、情報発信をしながら歯科治療を続けてきました。現在では歯周病がさまざまな疾患に関与していることが多くの研究から明らかにされましたが、全身への口腔内の影響は歯周病だけではなく、その他考慮すべきことがたくさんあります。全身の健康を考慮した乳幼児期からの口腔の予防の概念や食を含む生活習慣を整えていくことの重要性を伝えていきたいと思いました。

仕事へのこだわり

 歯科治療をする上で対症療法だけに留まらないように、根本的な改善につながるようなアプローチを重視してきました。カリエス(虫歯)の治療をする場合はその治療と並行して、今後新たにカリエスができないように口腔内環境を変えていく、その口腔内環境を変えるためには食をはじめとする生活習慣の見直しが欠かせない。また、咀嚼や呼吸といった口腔機能の問題にもアプローチをしていく必要があります。歯並びの改善にしても同様に矯正治療だけをして歯が並ぶだけでなく、なぜ、歯列不正が起きたのかその根本原因へのアプローチをすることで、口腔機能が改善し、口腔機能が改善することで鼻炎の改善につながったり、アトピー性皮膚炎の改善につながったりと全身の健康度がUPしてきます。そういったことを続けていると、根本原因が各個人というより、社会全体における問題で皆似通った問題を抱えていることに気づきます。

 時代が違えば生活環境、生活習慣、価値観、生き方が大きく変化しています。便利になった反面、健康面においてはマイナスに作用していることも多々あります。現代の暮らしの中で健康を守るための歯科からのアプローチは全身の健康に寄与し、また健全な社会の在り方を模索していくことにつながると思っています。現在は医療の分野を超えて、循環型社会を目指してさまざまな職種の方々と佐賀プロジェクトを立ち上げました。そして、クリニックの敷地内に食材にこだわった美味しいフレンチカフェ&マルシェをオープンしました。現在、この結果になっているのはなぜか?その根本原因に対して行動するというSTYLEを貫いています。

今後の展望・私の夢

 クリニックに来院してくださる患者さんの健康を守ることはもちろんのこと、個々人の健康が守られるような社会にしていきたいと思います。それぞれの利益ばかり追求する社会ではなく、これからの未来ある若者たちが健康で希望を持って生きていける社会にしていくには、まずは流通している食に関わるものをすべてからだに良いものにすること。スーパーで売られている食材が人にも環境にも優しいものであること。消費者のニーズが変われば、生産者は本当に作りたいものを作れるようになっていくでしょうし、そのためにシステム作りもなされていくことでしょう。まずはいかにそれが大切なことかを伝えていければと思います。

若者へのメッセージ

 これまでの行き過ぎた資本主義経済やグローバル社会は限界が見えてきて、日々の日常生活を丁寧に大切に生きたいという若者たちが増えてきていることを嬉しく思っています。社会の転換期と言われている今、人として大切なことは何か、どう生きるかが皆、問われていると思います。30年経済は停滞しネガティブ思考になりがちですが、もっと大切なことを求めて社会が変われるチャンスの時です。自分の為、社会の為に何を考えどう行動するか、希望を持ち、楽しんで欲しいなと思います。私たちの世代も精一杯、未来のために行動したいと思います。

ゆきデンタルクリニック
https://www.yukidentalclinic.jp/