イーヘルスクリニック新宿院 院長 天野 方一

行動せずに後悔するより、行動して後悔する方が賢明である

イーヘルスクリニック新宿院
院長兼帝京大学大学院公衆衛生学研究科非常勤講師 天野 方一

略歴
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埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。
東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務、研鑽を積む。
2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。
予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、
2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院 (eHealth clinic 新宿院)」を開院。
複数企業の嘱託産業医としても勤務中。
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現在の仕事についた経緯

 これまでに、複数の企業で産業医としての経験を積んでまいりました。その中で、治療中に離脱してしまう方々を、数多く目にしてまいりました。健康診断で異常が見つかり、病気と診断されても、病院に行かず治療を続けない方々がおります。そうした方々をどのように支え、医療につなげていくか、ずっと考えてまいりました。

 糖尿病や高血圧などは、誰もが恐れる疾患です。そして、予防が最善の方法であることも、誰もが理解しています。しかし、生活習慣の改善や予防治療を「したいけれどもできない」という方々も、少なくありません。仕事の量が多く、人手不足で過酷な労働を強いられる方々や、睡眠や運動の時間すら十分に取れない方々がいます。薬を受け取るためにも、半日休暇を取って病院に行かねばならない状況は、治療を続けることが難しいと感じさせます。

 医療の課題は、政府による医療費の削減や自由診療に関する問題が挙げられますが、同時に、「病院に行きたくても行けない」という人々の存在にも目を向けるべきです。そうした方々を医療につなぎ止めるために、現在のクリニックを立ち上げました。

仕事へのこだわり

 当院は、新宿二丁目に位置し、多くのビジネスマンに利用されています。新宿三丁目駅からは丸ノ内線、副都心線、新宿線の3つの地下鉄が通り、徒歩1分の便利な立地です。JR新宿駅からも徒歩7分です。

 診療内容は内科全般に加え、アレルギー、性感染症、肥満外来、ビタミン点滴など、健康増進と予防医療にも対応しています。また、オンライン診療も積極的に行っており、PCやスマートフォンアプリからアクセスすることでビデオ会議形式の診察や服薬指導が可能で、処方された薬は直接ご自宅へ配達されます。定期的な受診や処方箋の更新なども、仕事の合間や土日祝日、夜間でも柔軟に受けられます。

 全ての診療をオンライン化することは難しいですが、年間約3000人の患者さんがオンライン診療で当院を利用されています。病院への面倒さを理由に受診を諦める患者さんを支援する役割は重要だと考えます。医師の診療が手軽に受けられることで、患者さんは自身の健康について考え直すきっかけにもなるでしょう。

 また、医療によって仕事の生産性を向上させることも可能です。たとえば、花粉症治療により、業務効率の向上が期待できます。花粉症は重症化すると業務に大きな影響を及ぼします。そのため、花粉症対策は生産性向上の重要な要素となります。花粉の季節になると多くの方々は、市販の薬を飲んでやり過ごしていると思いますが、花粉症に効く良い処方薬がありますし、完治を目指す治療法もあります。そうした知識を企業の皆さん、特に経営者の方々に理解していただきたいと思いますし、実際に指導もしています。

 花粉症に限らず、病気のまま仕事に取り組むことでプレゼンティーイズムが発生します。デジタルツールやワークフローの改善も重要ですが、従業員の健康維持を医療でサポートすることで生産性向上やプレゼンティーイズムの改善に貢献したいと考えています。

今後の展望・私の夢

 より高い健康のステージ、ヘルシーエイジングの達成が私の今後の目標です。これまでの話題とも関連がありますが、現在私はヘルシーエイジングに注力しています。美容に関わるものではなく、体の若さを維持し、抗加齢医療や予防医療の分野に焦点を当てています。例えば同じ年齢の人でも、体の機能には大きな違いがあります。年月の酷使で内臓が衰え、数値的にも良くない人もいますが、一方で実年齢よりも若く見える人もいます。彼らは歳を取っても健康であり、いわゆる「ウェルビーイング」や「ウェルネス」の状態を享受しています。このような状態を目指すのが、ヘルシーエイジングです。

 ヘルシーエイジングは、三つのステップで実践されます。まず、病的な症状があれば、最新のガイドラインに従った治療を行います。次に、積極的な検査を行い、全身の状態を評価します。そして、各種のサプリメントや点滴を治療薬として使用する、この三段階です。もちろん、全ての治療が保険でカバーされるわけではありません。しかし、全身の動脈硬化や免疫状態などを評価し、サプリメント療法や幹細胞上清、高濃度ビタミンCなどのプラスアルファの手法を用いることで、より高い健康状態を維持できます。

 保険診療で提供される従来の治療は、ある意味で合格点ですが、決して満点ではありません。一方で、その人に適したヘルシーエイジングを実践することで、満点に近づけることができます。
このアプローチを、医師を含む多くの人々に理解していただき、実践していただきたいと考えています。そうすることで、多くの人々がウェルビーイングを享受するだけでなく、医療費の削減にも貢献できるはずです。

若者へのメッセージ

 行動すること、追求すること。自身の専門分野に縛られず、幅広い領域で活躍すること。それが私たちの成長や達成につながる道です。

 一つの分野でトップ5%に到達することも重要ですが、同時に、異なる分野でそれぞれトップ20%になることも大切です。多角的な視点やスキルは、私たちの可能性を広げ、新たな挑戦に向けての力となります。

 例えば、私自身は腎臓内科の専門医ですが、公衆衛生の大学院で博士課程に進んでいます。さらに、公衆衛生の分野での留学経験も積んでいます。臨床だけでなく、産業保健や研究分野にも積極的に取り組んでいます。

 皆さんも、自身の興味や能力を追求し、複数の分野で活躍することを目指してください。そうすれば、新たな可能性が開け、より充実した道を築くことができるでしょう。頑張ってください!

イーヘルスクリニック新宿院
https://ehealthclinic.jp/