カウンセリング那覇オフィス 代表  下地 まいこ

人生は有限である

カウンセリング那覇オフィス
代表 下地 まいこ

略歴
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約15年間、養護教諭(保健室の先生)として学校現場で勤務する。
仕事と育児の傍ら、高校時代から興味を持っていた心理学の勉強を開始し、国家資格である公認心理師資格を得る。
養護教諭を退職したのち、県立高校でのスクールカウンセラー業務と並行し、個人事業を立ち上げる。活動の1つである「KOKORO保健室」では、ミッドライフクライシス(中年期に訪れる心理的危機)に悩む女性向けにオンラインカウンセリングを行っている。
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現在の仕事についた経緯

 物心ついた時から、人の心や人生設計に興味がありました。手に取る本は、心理学や哲学、キャリア系が多かったですね。長年、養護教諭の道を歩んできましたが年齢を重ねるにつれて、もっと自分の強みを活かした仕事がしたい、心理支援に注力したい、このまま一生学校のなかだけで働く選択でいいのか?など様々な感情に出会いました。そこで、40歳を機に思い切ってキャリアチェンジを行い、心理職に転身しました。私の運営する「KOKORO保健室」では、おもに中年期の女性が陥りやすいミッドライフクライシスに対するカウンセリングを行っています。私自身、30代後半に今後の生き方や働き方にものすごく悩みました。自分の経験談やカウンセリングにより「人生の転換期に悩む女性の力になりたい」「自分で可能性を閉ざしてしまう女性を1人でも減らしたい」と考えた経緯があります。

仕事へのこだわり

 新卒の頃の私は、経験値も少なく、人間関係も上手に構築できなかったのでとても苦労しました。毎朝、出勤することが苦痛でした。眠るとすぐに朝が来てしまうことが怖くて、眠らずに過ごす夜もありました。当時、そんな私の心の支えは、悩みを全て聞いてくれる彼(今は夫です)と書店でした。つらい気持ちを正直に吐き出す場所があること、そして救いを求めて何度も足を運んだ書店で出会った数々の素晴らしい本との出会い。それらによって、私はつらかった新社会人時代を日々乗り越えることができました。弱音ばかり吐いている毎日でしたが、途中で逃げる選択肢はありませんでした。きっと、いま逃げたら二度と自分を信じることができないと無意識に分かっていたんだと思います。私は学生時代に劣等感を抱えて生きていたので、仕事を通して自分に自信を持ち、どうしても自分を好きになりたかったんです。

 人生100年時代、仕事において最も大切なことは「仕事を続けること」だと思います。それはけして、同じ仕事・職種や業務を継続的に頑張るという意味ではありません。長い人生のなかで何かしら働く必要があるとするのならば、心身ともに健康的で、なるべく楽しく働き続けられるかが最も重要で難しいミッションだと考えます。幸せになるために働いているはずなのに、心身を壊してまで頑張り過ぎるのは本末転倒です。時には現在の仕事からいったん離れて休むことや、自分を見つめ直しする時期なども必要ではないでしょうか。また、どこかの地点でキャリアチェンジをすることもあるでしょう。重要なのは、どんな時も自分の感情に素直に向き合い、キャリアにおいて常に長期的な視点を持つ。その上で、現在の仕事や働き方に対して「自分自身が主体的に選択しているんだ」という意識を持つことだと考えています。

今後の展望・私の夢

 私の仕事におけるビジョンは、「激動する社会・時代において、いかなる環境に置かれても孤独感を取り除き安心して生きる人たちを生む支援活動を行う」です。これは、前職である養護教諭のときから変わりません。根本であるビジョンはひとつであり、それを達成する手段はいくつあっても良いと思っています。その時の自分のライフステージや価値観、積み重なった経験によって、自律的かつ柔軟に手段を変えつつ自身のビジョンを達成していけるキャリア形成を目指しています。今後は、現在の活動に並行して「新人養護教諭向けのメンタリングサポート」を行っていく予定です。また、文章を書くことにも力を入れていきます。私自身が本に救われた人生なので、文章を通して誰かの力になりたいという想いがあります。私にしかできないこと、私だからできることを模索しながら、パズルのように独自のキャリアを構築していくことが目標です。保健室のなかで「自分は陰キャだから将来働ける気がしない…人間関係が苦手」と悩んでる生徒の声を多く聞きました。「そんな君でも楽しく仕事ができるよ!世の中には、色々な生き方や働き方があるんだよ!」ということを私の経験を通して、学生向けへのキャリア支援のなかで伝えていくのも面白そうです。

若者へのメッセージ

 あなたの個性、強みは何ですか?キャリア形成において、その宝物を存分に活かしてください。そのためにはまず、若いうちに様々な経験をして自分自身の色々な感情に出会うことが最低限必須になってきます。経験を通してのみ、人は自分自身について本当に深く理解することができると思うからです。全ての経験があなたにとって必要なことであるならば、そこには失敗という概念は存在しません。いつか、バラバラに散らばった経験というピースがひとつになり、唯一無二のあなたを作り上げることでしょう。ピースはなるべくたくさんあった方が良さそうですね。将来的にあなたがどのようなキャリアを構築していくか、先の見えない未来に不安は尽きないと思います。けれど、経験は財産になります。とにかく若い時期にひとつでも多くのピースをゲットし、将来のあなたに贈ってください。若者世代と呼ばれる試練と成長の時期を乗り越えたとき、より充実し、本当の自分らしさ追求し、人生を深く楽しんでいるあなた自身に出会うことでしょう。

KOKORO保健室
https://kokoro-hokenshitsu.online/