医療法人社団向日葵会まつしま病院 院長 星野 裕子

いつも自分を好きでいる 自分を愛する

医療法人社団向日葵会まつしま病院
院長 星野 裕子

略歴
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北里大学医学部卒業 北里大学病院産婦人科入局 出産後東京へ転居 都立墨東病院周産期センターで周産期専門医を取得 東京リバーサイド病院周産期部門長を経てまつしま病院院長就任。
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現在の仕事についた経緯

 お産と赤ちゃんが好きで、産科医師になりたいと思った。都立病院での周産期医療にかかわった際に、自分の妊娠・出産・育児を理解しないできない人に接する機会を多く得た。そのような女性たちには複雑なバックグランドがあり、実は気持ちが苦しんでいることを自覚さえしていない人も多くいた。臨床業務とは異なるチームで支えていく医療に触れて(CAPS)治療をするといった一般医療をやりつつ、このような支える医療を形に出来る場所があればと思っていた。まつしま病院は開院以来女性と子供にやさしい医療を理念に支える医療を行ってきた。その中でも性被害にあった女性の味方の立場を貫いていた。この病院の理念に沿って働くうちにフェムシップドクターという、女性の身体と健康を守る方々と琴線を同じにする状況となったので仲間に入ることができた。

仕事へのこだわり

 医師は医師の、コメディカル(看護師や助産師・検査技師など医療にかかわる他のスタッフ)にはコメディカルの立ち位置があり、役割も異なる。しかし、そこに優劣はなく平等であると思って仕事をしてきた。平等となれ合いによる無責任は異なるため、最終責任は私達医師にあることは理解しつつ、ほかのスタッフが、医師に判断をゆだねる前に自分たちでしっかり考え、検討したうえで医師に指示をもらうようにと伝えるようにしてきた。その場合たとえ確認された内容が間違えていたとしても、なぜそう考えたかを共有し、次回は間違えないよう自分たちはチームとして同じ方向が見られるように、といつも考えて仕事をしてきた。仕事は一人ではできない、必ずチームで行う。例え自分でなくてもおなじような考えで、みんなは対応してくれるようになるので、自分だけが頑張るようなことをしなくてもよいような職場にしていきたいと思ってきた。大筋が異なっていなければよい、と言うおおらかな気持ちでチーム作りをするということにある程度の年代からこだわってきた。

今後の展望・私の夢

 現在ほんの数か所志のある先生方がやっておられ、当院でもこの度立ち上げたユースクリニックを、スウェーデンのようにごく一般のものとして、日本国内に普及させたい。相談業務は一般臨床の現場に出て、その温度を知っているものがやらなければ意味がない。しかしその運営費を自力で賄うことは困難。公的補助を得ながら運営でき、いつでも子供たちが自由に自分の性や身体のことを専門家に聞く場所を広めたい。自分を大切にすることを学べ、家族を持つことに夢を抱いてほしい。

若者へのメッセージ

 私達がやっていること、やろうとしていることは皆さんから見ると、特殊な世界のことのように見えるのではないでしょうか?しかし、身体のこと、性のことは誰もが知る権利があり自己を知る上では避けては通れないものです。自分を大切にし、他人も大切にすることを知ることです。日本はこの教育からずっと目をそらしてきました。大人の固定観念からです。大人の尺度ではかられないでください。もっと自由に自分を知って、自分の生き方を確認してほしいと思っています。自分を大切にすることは本来は、難しいことではないのです。どのようにすればよいのか?自分が自分をどう考えているのか、それが聞ける場所があればよいと私たちは思っています。私達の新しい場所が底だと信じています、どうぞいらしてください。興味があれば一緒に形作りましょう。

医療法人社団向日葵会まつしま病院
https://www.matsushima-wh.or.jp