一般社団法人みんなのフードポリシー 井澤 裕子

必要な情報は積極的に取りに行く。ネットの時代だからこそリアルな行動を。

一般社団法人みんなのフードポリシー
代表理事 井澤 裕子


略歴
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米国California College of the Arts卒業後、デザイン制作会社、雑誌制作会社にグラフィックデザイナーとして勤務。2005年から2014年までイタリア食材の輸入・ネット販売事業を行う。2014年からは個人事業主として、企業のデザイン制作やプロモーションのサポートに携る。食品を扱う企業の仕事を請け負う中で「食」をめぐるさまざまな問題を知り、「私たちは何を基準に食品を選び、何を食べたらいいのか」をテーマに、消費者や生産者、企業など様々な立場の人が一緒に考えるプラットホームを作りたいと考え、法人を立ち上げる。病気発覚をきっかけに今年1月、治療体験記『原因不明の心臓の痛みは、微小血管狭心症でした!』を出版。
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現在の仕事についた経緯

 長年、デザイナーとしてクライアント企業のお手伝いをしてきましたが、食品関係の会社の仕事も多く、「食」や「健康」についての知識や経験が増える中で、問題を感じる部分、もっと広く人々に知ってほしいことなどが徐々にでてきました。そのため自分自身でも発信の場所を作りたいと考えるようになり、情報発信のためのWEBサイト運営を始めた次第です。

仕事へのこだわり

 質の良い情報を、それを必要とする人にお届けすることが私の使命だと思っています。

 インターネットの登場によって、私たちと情報の関係は大きく変わりました。
受け身で均質的な情報を受け取る時代は終わり、個人の趣味趣向によって自由に情報を取りに行く時代になりました。私たち、マスメディアで育った世代は「マスメディアの時代が終わったんだな」と痛感しています。

 「情報弱者」という言葉がありますが、今の時代は、誰しもが大なり小なり情報弱者になりうる時代だと思っています。膨大な情報が氾濫する時代になったにも関わらず、皮肉なことに、必要な情報にアクセスしづらい状態になっている、とも感じているのです。

 私はもともとデザイナーです。情報は、デザインされることによって、人に伝わりやすい形になり流通し始めます。埋もれた情報に形を与え、どうすれば、それを必要とする人に届けられるかをとことん追求する、それが私の仕事へのこだわりです。

今後の展望・私の夢

 食と健康について、取材等を通じて得た情報を、ウェブメディアや、書籍出版という形で発信してきました。微小血管狭心症という病気になり、今年1月には、治療を通じて自分が体験したことを本にまとめました。これまで「食と健康」と言っても、どちらかというと「食」がメインだったのですが、今後は、健康分野、特に更年期女性の健康分野でも必要な情報発信をしていきたいと思い、今年から本格的に勉強を始めています。

 もう一つの展望としては、これまでのような情報発信に加えて、人と人が直接つながることができる場所づくりのようなことができないかと考えています。
いわゆるコミュニティ運営のようなことですが、こちらについては、どんなことが自分にできそうか、これからじっくり考えていきたい、と思っている段階です。

若者へのメッセージ

 これからは、これまでの時代とは全く違うものになるだろうと思います。過去の経験や今までの常識では対応できないことが多く出てくるでしょう。ですから、本心を言えば、アドバイスなんて何もできません。世界的な人口爆発、一方、日本では急激な人口減少。食料は大丈夫なのか、地球環境がどうなっていくのか?ソサエティ5.0に代表されるようなバーチャル世界が社会にどんな影響を与えるのか?さらには宇宙開発、宇宙移住の話まで出てきています。正直なところ「これから、本当に大丈夫なの?」という気持ちです。

 でも、これからの時代を生きていく若い人たちは、そんな呑気なことは言っていられないでしょう。無責任に聞こえるかもしれませんが、若い人たちにはアンテナを張っていてほしいと思っています。どうしたら、もっといい世界にできるのか、自分の頭で考えてアンテナを研ぎ澄まし、捨てるもの、残すもの、新しく作るものを取捨選択し、次の時代に備えてください。

 そして、もう一つは、ネットの情報、メディアの中の情報だけで満足せずに、実際に現地に行ってみる、人に会って話してみる、自分の目で見るといった実体験を大事にしてください。そこには、必ず、ネットでは知り得なかった驚きがあるはずです。

一般社団法人みんなのフードポリシー
https://mfp.or.jp