鍛錬だけが美学ではない 駒澤大学 Mさん
鍛錬だけが美学ではない
アメリカンフットボールへの情熱が私の青春を彩りました。その中で、挫折や困難にも立ち向かい、成長する機会となりました。今、社会人として新たなステージに立つ自分を前に、更なる成熟と価値の向上に向けて、心に強い決意を抱いています。
アメリカンフットボールに捧げた青春
ーアメフトを始めたきっかけ
アメフトを始めたきっかけは「しあわせの隠れ場所」という映画です。主人公がアメフト選手で、どん底から頂点まで這い上がる姿に感銘を受け、高校1年生の時からアメフトを始めました。
アメフトを始めてから嫌なことから逃げないようになりました。中学までの私は辛いことが嫌で、部活を退部した経験もありますが、高校でアメフトに出会い、楽な道に逃げずに向き合うことで結果を出せる素晴らしさを学びました。今では辛いことがあっても逃げずに向き合えるようになっていると自負しています。
ー私の自慢できるところ
私の自慢できることは、ベンチプレス100kgを30回挙上できることです。アメフトにおいてフィジカルは非常に重要な点であり、プロアメリカンフットボールリーグのNFLでも体力測定でベンチプレス100kgを何回挙上できるかというテスト項目があります。私のベンチプレス100kg 30回という項目だけを見るとNFLの同じポジションの選手にも負けない数値であるため、自信にも繋がっています。また、元々ベンチプレスが強かったわけではないです。地道な努力を毎日重ねた結果なので、努力は裏切らないという私のマインドセットにも繋がっています。
ー挫折の経験
アメフトで挫折した経験は、怪我をしたことです。高校1年次に左足脛骨腓骨骨折、大学3年次にアキレス腱断裂。どちらの怪我も手術をして長期離脱を強いられたので、憂鬱な日々が続き、復帰後も元々のパフォーマンスを発揮できるかどうかという不安に駆られていました。しかし、怪我を乗り越えられたのは、筋トレとリハビリを継続し続けたからです。
筋トレとリハビリは、ほぼ同じようなものですが、動かせるところはとにかく動かして筋トレを行って筋肉を大きくして重量を伸ばしました。これが自信をつけていくアプローチになっていました。
自分がプレーできないことは心苦しかったですが、怪我をしている間は常にチームにどうしたら貢献できるかを考えて、相手チームの分析に特に力を入れていました。また、チームがどんどん強くなることが嬉しかったです。
今まで、練習すればするほど良いと思っていましたが、自分の限界を超えてしまっては怪我に繋がってしまい、鍛錬だけが美学ではないと思いました。
ー普段心がけていることは思考を具現化するということです。
私の部は、ほぼ毎日練習があります。キャプテンでありながらも「今日は練習嫌だな」とか「今日は休みたい」という気持ちに駆られる時もあります。しかし、自分が何のためにアメフトやっているのか、自分はどうしたいのかという思考を巡らせると練習が始まる時にはスイッチが入って練習が楽しくなっていて、練習が嫌だとかいう思考は消えています。思考を実際に具現化するために、考えていることをより詳細に洗い出すことを意識しています。
ーチームの在り方
チーム全体は同じ温度感で練習するべきだと思っています。
やる気がなかったり、同じ方向に気持ちが向いていない人から目を背けることは簡単です。ですが、グラウンドに来て練習をしに自分の意志で来たのであれば、練習を真摯にやり遂げる責任があると考えています。普段は気の知れた友達でもしっかりとコミュニケーションをとることは重要なことであると思っています。
キャプテンとして、チームを同じ方向に向かせられるように導く使命があります。勝敗も大事ですが、何よりチームメイトが心からアメフトを楽しめるような雰囲気をつくることが大切であると思っています。
アメフトを辞めた後の自分へ
「環境」に安定を求めるのではなく、「自分自身」に安定を求めて欲しいです。自分自身に安定を求めるということは、自分自身の実力、価値を上げるということで、非常に難しいことだと思います。しかし、それくらい上を目指さなければ、今までのアメリカンフットボールで培った経験や、高校、大学とキャプテンをやった経験の意味がなくなってしまいます。そのために自分自身に安定を求め続けてください。
10年後、NEXT GENERATIONの自分へ
「自分自身に安定を」